【Recco】希少な生チーズとのコンビでキケンな美味しさ、レッコのフォカッチャ

フォカッチャディレッコ職人

美容と健康のため「体によくておいしくて太らないもの」を毎日食べたい私にとって、「チーズフォカッチャ」は、イタリアにおけるキケンな食べ物ナンバーワンです。

フォカッチャディレッコ職人

「チーズフォカッチャ」ときくと、平たいパンのようなフォカッチャにチーズが載っているピザトーストみたいなものを連想するかもしれませんが大間違いです。フォカッチャといっても名前だけで、イースト菌を使わないうすくてさくさく、適度にしっとりした独特の生地が特徴です。

香ばしくきつね色に焼きあがったうすい生地の下には、すこし酸味のあるストラッキーノチーズ、そのさらに下にはチーズの油分でちょっとしっとりしたさくさく生地。すべてが絶妙に作用し合って「キケンなおいしさ」に。

レッコで「チーズのフォカッチャ」に出会った直後、あまりのおいしさに即おかわり。その後、頭からチーズフォカッチャのおいしさが離れずに、とりつかれたように毎日チーズフォカッチャを食べていたところ、さすがに太ってしまったことがあります。

チーズフォカッチャ

チーズフォカッチャをテイクアウトして晩ごはん

先日、日本人の友だちがイタリアに遊びに来たときも、やっぱりチーズフォカッチャのおいしさに衝撃をうけて、日本に帰ったらもう食べられないからと、毎日毎日食べ続けていました。ジェノバでも、あまりにもおいしくて食べ過ぎてしまうため、チーズフォカッチャを「要注意」としている友だちはたくさんいます。

毎年5月にはチーズフォカッチャ発祥の地、レッコ(Recco)で、レッコのフォカッチャ職人総出で一日中観光客にチーズフォカッチャをふるまう「フォカッチャフェスティバル」なるものが開催されます。この日のためにあらかじめダイエットにはげんで参加する人もいるぐらい、毎年大盛況。

フォカッチャフェスタの行列

行列の先にはフォカッチャが!

レッコのフォカッチャフェスティバル

焼いても焼いても追いつかない!

内陸から海に通じる川が流れるレッコには、人や物の移動に重要な役割をしている橋がかけられていました。
第二次世界大戦の際、武器の輸送を断絶するため、イギリス軍がその橋を破壊しようと徹底的にレッコを攻撃したせいで、歴史的価値の高い美しい教会や貴重な建築物がことごとく破壊され、レッコは壊滅的な被害をうけました。(皮肉にもその標的だった橋は今でものこっているのですが)

レッコの教会

教会も戦後に再建されたもの

そんな不幸な歴史があって、レッコにある建物ほとんどが戦後にたてられたものなので、残念ながら観光地として「見どころ」がとくにあるわけではないのですが、フォカッチャ職人の奮起によってレッコの食文化はちゃんと残りました。
ジェノバから車で30~40分かけて、わざわざこのチーズフォカッチャだけのためにレッコを訪れる人もいるぐらい、それほど人をとりこにしてしまう名産物がレッコにはあるのです!

でも、やっぱりせっかくイタリアに来たのだから、情緒ある街並みも散策したいですよね。
そんなときは、腹ごなしのお散歩がてらレッコから隣の町「カモッリ(Camogli)」に。
カモッリはレッコと隣接しているのに、イギリス軍の爆撃から難をのがれて、今でも情緒ある街並みを保っています。

カモッリのフォカッチャ屋ラベッロ

レッコの隣町カモッリにもフォカッチャ屋さん

さて、ここまでイタリア人を魅了するチーズフォカッチャをこれまで日本で紹介できなかった原因の一つは、チーズフォカッチャに不可欠な「ストラッキーノ」というフレッシュチーズ。
発酵がとても浅いため、温度管理、品質保持の問題で輸入が難しかったのです。

もうひとつの難関は、うす~い生地をさくさくしっとり絶妙に焼き上げる職人技。繊細な生地をあつかうには、熟練したワザが必要なのです。

今回、阪急イタリアフェアのために、日本の運送会社がストラッキーノチーズの空輸手段を確立し、レッコのフォカッチャレストランの中でもおいしいと評判の老舗店ヴィットリオ(Vittorio)から熟練の職人が来日することで、まぼろしのチーズフォカッチャが大阪に初上陸することになりました!
本場レッコのチーズフォカッチャを日本で味わうことができる貴重なこの機会をどうぞお見逃しなく♪

ABOUTこの記事をかいた人

イタリア在住バイヤー&ブロガーです。リグーリアの希少なワインやオリーブオイル、ジェノバっ子だけが知ってる穴場スポットなどを紹介します♪ちなみにイタリア語のブログのフォロワー5000人、ジェノバではCocoJapanとして結構有名人です!