日本未上陸!【Savona】日本未上陸のストリートフード「ファリナータ」の発祥はジェノバ?

イタリアが1つの国として統一されたのはつい150年前。
つまり、それまでの間は、それぞれの地域が独立した国家としてなりたっていたということ。
そのため、はやばやと国として統一していた地中海隣国のフランスやスペインにくらべてイタリアは、料理や風習、方言などの文化が地域ごとにものすごく異なるという特徴があります。

たとえば、私のすんでいるジェノバは、ローマ帝国が衰退して、バイキングや隣国からの侵入をふせげなくなったころから「海洋都市国家」として力をもっていた都市。そのジェノバから海沿い西に50キロの町「サヴォーナ(Savona)」とも、しっかりとした文化の違いをかんじることができます。

サヴォーナのマリア像の手に注目!

私にとってサヴォーナは、ジェノバの近くにはない砂浜のあるビーチがあること、フランスやピエモンテのマーケットの通り道として立ち寄る頻度がけっこう高い町です。

地中海の港に停泊しながら各国をめぐる大型客船「コスタ・クルーズ」が数年前からサヴォーナに停泊するようになって、クルーズの外国人観光客が確実にふえています。まだイタリアの観光地としての認知度はひくいながら、こじんまりとした旧市街地やこじんまりとした港を散歩するのはほっこり楽しいし、町の構造的にショッピングもしやすいので、今後、徐々に観光地として人気がでてくると個人的に予想しています。

さて、こじんまりとしたサヴォーナの旧市街地をあてもなくぶらぶら散歩するときには、遭遇するマリア様に注目!
街角のマリア像、教会の中のアンティーク絵画など、サヴォーナで出会うマリア像はすべて両手のひらをひらいてこちら側へ見せるポーズをとっていることに気づきます。これジェノバのマリア様にはなく、イタリア中でサヴォーナだけなのです。

サヴォーナのドゥオモのマリア像も両手のひらを見せるポーズ

サヴォーナのドゥオモのマリア像も両手のひらを見せるポーズ

もちろんアンティーク絵の中でも両手のひらを見せるポーズ

もちろんアンティーク絵の中でも両手のひらを見せるポーズ

こじんまりとした旧市街地ですが、サヴォーナのドゥオーモはなかなかの迫力で、内部の装飾もしっかりお金がかかっていいものがそろってます。おごそかな雰囲気の中、稀少なサヴォーナ式マリア様の描かれた1600年代のアンティーク絵画を鑑賞してください♪

サヴォーナのグルメ

マリア像は独特なサヴォーナですが、ジェノバと同様、魚介類が豊富で港があるサヴォーナの料理はジェノバとものすごく近い!
オヴァダのマーケットでもたびたびお世話になるひよこ豆のファーストフード「ファリナータ」は、リグーリアにちかい地方のあちこちで出会う食べ物で、日本の「肉じゃが発祥の地」論争のように、それぞれが「発祥の地」を主張しているのですが、サヴォーナの人々も例によって、ファリナータはサヴォーナが発祥だと信じています。

いろいろな人から話をきいていると、個人的には「発祥はジェノバ?」という感じがしないでもないのですが、とにかく、全国的に有名なファリナータの名店がサヴォーナにあるのは事実で、そのならんででも食べたいサヴォーナのファリナータがこちら!じゃーん!

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店名「Vino e Farinata(ヴィーノ・エ・ファリナータ)」は「ワインとファリナータ」という意味。なんて適当な店名!ですが、イタリアでは店名に日本人ほど熱をこめることがないのです・・・

ということで、ファリナータ発祥ともいわれている超有名店は「ワインとファリナータ」という店名なのですが、ファリナータ以外の料理も激安でおいしいレストランとしても有名で、おかげでいつでも大行列。でもほんとにおいしいから行列もゆるせる!

「ワインとファリナータ」という文字のみの素朴な外観

「ワインとファリナータ」という文字のみの素朴な外観。入ってすぐがファリナータ製作&販売スペース

奥に向かって石釜、厨房、レジ、テーブル。奥右側にもうひとつ部屋があって、意外と広い飲食スペース

奥に向かって石釜、厨房、レジ、テーブル。奥右側にもうひとつ部屋があって、意外と広い飲食スペース

こちらのファリナータは、ひよこ豆バージョン小麦粉バージョンの2種類。どちらもすばらしい食感に素朴な味がみごとにマッチ。脂っこくなく、ふらふわ軽いので、ぱくぱくいけます。

地中海は漁獲量が少なく、イタリアはものすごく魚介類が高いのですが、さらにこのレストランではレベルの高い魚料理がリーズナブルに食べられるので関西人も納得、大好き!

豪勢な「イワシの詰め物」。通常はもっと小さい

豪勢な「イワシの詰め物」。通常はもっと小さい

左が小麦粉のファリナータ、右がひよこ豆のファリナータ

左が小麦粉のファリナータ、右がひよこ豆のファリナータ

これまで電話予約ができないことでも有名でしたが、店内は意外と広く、回転がよいのでそれほど苦にならずファリナータにありつけるため、みんなおしゃべりしながら根気よく待つのがこのお店の風景でした。ところが、なんと先日、突然常連客向けに予約受付を開始!おかげで客の回転が悪くなり、行列はさらにながく、予約をしていない客の待ち時間が急増。個人的には、昔のままの予約をうけつけない制度がよかったんじゃないかなぁと思いました。

名前 Vino e Farinata(ヴィーノ・エ・ファリナータ)
住所 Via Pia, 15r, 17100 Savona
TEL 393 0384737
営業時間 12:00~14:00
18:00~21:30
定休日 日曜日
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予約システムになってから予約がないとファリナータを前にぺこぺこのおなかで1時間待ちはざら。事前に電話で予約することをおススメします!

ABOUTこの記事をかいた人

イタリア在住バイヤー&ブロガーです。リグーリアの希少なワインやオリーブオイル、ジェノバっ子だけが知ってる穴場スポットなどを紹介します♪ちなみにイタリア語のブログのフォロワー5000人、ジェノバではCocoJapanとして結構有名人です!