サルデニアのヴェルメンティーノがリグーリアのヴェルメンティーノと全然ちがう理由は?

イタリア最大の港町ジェノバだからこそのレストラン

何百年も前から「海洋都市国家」として栄えてきたジェノバは、今でも貨物の取扱い量No.1をほこるイタリア最大の港町

シチリアやナポリ、アマルフィ、サルデニアなど、海でつながっている港町から最大の港であるジェノバへ働きにやってきて、そのまま家族をもっておちついた人もおおく、「お父さんもお母さんもジェノベーゼ」な生粋のジェノベーゼに出会うことはけっこうむずかしいはず。

さて、そんな理由で、ジェノバは「生粋のジェノベーゼ」のレストラン以外に「アマルフィ料理とジェノベーゼ」のレストランや「サルデニア料理とジェノベーゼ」といったジェノバと「港町」つながりのレストランのレベルがとてもたかいのです♪

サルデニアのワイン

「ジェノバの旧市街地でおいしい魚料理をたべるには?」と地元に人にきいたとき、一番最初に名前があがるPINTORI(ピントーリ)は、実はサルデニア出身のオーナーが1961年にはじめたレストラン。ジェノバでサルデニアの空気もあじわえるお店です。

さて、ワイン選びから。

vermentino

ジェノバとサルデニアの大きなちがいの一つは「土」。

「ヴェルメンティーノ(VERMENTINO)」はリグーリアにもあるすこしフルーティな白ワインで、私は食事よりもちょっとだけつまみながらの「アペリティーボ」にのむのがお気に入りです。

ところが「サルデニアのヴェルメンティーノ(VERMENTINO di SARDENIA)」はリグーリアのヴェルメンティーノに「ひとくせ」加わったような複雑な味。サルデニアの土壌は、リグーリアに比べて含まれるミネラルの量がはるかに多いことから、そこでうまれたワインは「塩味」のようなミネラルの風味を感じます。

ミネラル豊富な「塩味」のワインは、それだけで飲むとすこし「クセ」を感じるものの、魚料理との相性はバツグン。アペリティーボよりも、食事にマッチするワインです。
ぜひ、いちど味わってみてください!

サルデニアの料理

海にかこまれたサルデニア島は、海からのめぐみだけでなく、肥沃な土も良好な天気もある、もともと「資源にめぐまれた島」なのですが、ジェノバのような富や軍事力がなかったため、ローマ帝国の勢いがなくなってきた14世紀あたりから、ひんぱんに北ヨーロッパの海賊がおそってきて、人や食料をさらっていくようになりました。

それで、キケンな海の近くの住まいをすてて、山の中に集落をつくってくらすようになったので、肉の食文化が発達し、サルデニア、というと肉料理の方がイタリアでは有名です。

海賊がいなくなった現代、数少ないながら、サルデニアには「漁師の町」があって、そこでは魚を食べる食文化がちゃんとあります。その豊富な海の幸をいかしたサルデニアの魚料理は、同じく豊富な山の幸とくみあわせることも多く、これは、今、旬のアーティチョークとイカを煮込んだ一皿。

caramali

これだけたくさんイカがはいっているにも関わらず、アーティチョークのパンチがきいていて、私は海よりも「山」を感じました。リグーリアにも山があって、キノコなど「山の幸の料理」はあるのですが、海のものとはこんなふうに融合させるのは、サルデニアならでは!

海の幸のアンティパスト(前菜)盛り合わせ。

海の幸のアンティパスト(前菜)盛り合わせ。

山の幸、チーズを揚げてハチミツをかけた素朴なデザート。

山の幸、チーズを揚げてハチミツをかけた素朴なデザート。

こうして、ジェノバにいながらにして、伝統的なジェノバ料理といっしょに、サルデニア料理もあじわえる、旅行の日程がつまっている日本人にはぴったりのレストランです!

おいしい近海の魚料理が食べられるお店

名前 Pintori(ピントーリ)
住所 Via San Bernardo, 68R, 16123 Genova
(ドゥカーレ宮殿の正面をそのまま下ってサンベルナルド通りに入り、右へ20m)
TEL 010 275 7507
定休日 日曜日、月曜日
COCO
小さい店内は、平日でもほとんどテーブルがうまるので、予約をいれた方が安心。

ABOUTこの記事をかいた人

イタリア在住バイヤー&ブロガーです。リグーリアの希少なワインやオリーブオイル、ジェノバっ子だけが知ってる穴場スポットなどを紹介します♪ちなみにイタリア語のブログのフォロワー5000人、ジェノバではCocoJapanとして結構有名人です!