イタリアの大学へ出願するまでの手続き(まとめ)

イタリア査証(VISA)発給事情で書いたとおり、現時点でイタリア政府は外国人留学者にとても寛大。「勉強したい」意思があって、きちんと手続きをふんだ日本人には、就学ビザを発行してくれます。

  1. 大学、アカデミア
  2. 私立の語学学校
  3. 料理など私立の専門コース

日本のパスポートは観光目的の場合、90日までの滞在はVISAが免除されます。1~2週間イタリアを旅しようとしてもVISAは必要ないのです。
ところが、上記3つのような「勉強」が渡航の目的である場合は、90日以内であってもVISAが必要になります。

私立の語学学校や料理学校の場合、イタリア語ができなくても、必要書類をそろえてVISAさえとれればいつでもイタリアへわたることができますが、イタリアの公立大学の場合、ずばり、難関は「日本での出願手続き」です!

日本人はすでにイタリアに住んでいたとしても、イタリア人と同じように出願することはできません。
いったん日本に帰国して、東京のイタリア領事館の説明会の参加、指示されるとおりの書類を用意して、イタリア語の試験にパスしなければ、出願さえできないのです。

イタリアの大学への出願手続き

イタリアに住むイタリア人なら、9月に高校の修了証とオンラインでダウンロードできるさらっとした書類を提出して完了、という簡単な大学の出願処理ですが、日本人の場合、出願準備は年明け早々からはじまります。

まず、イタリア大使館(Ambasciata d’Italia)の関連機関、イタリア文化会館の情報をつねにチェックして「説明会」の日程を把握することが超大事。イタリア語の勉強もそろそろはじめておくとより安心。
さらに心配性な人は、11月ごろから留学フェアなるものを開催しているので、そこでざっくりと情報をゲットしておくといいかも。

3月 イタリア文化会館に資料請求

必要書類、記入方法、スケジュールなど、出願に必要な情報がまとめてゲットできます。

4~5月 イタリア文化会館主催の説明会へ参加

資料を読んだだけではすべての必要書類を準備するのはかなり困難なはず。それで「説明会」への参加が必要になります。日本にいる人は、東京、または大阪で説明会に出て、わからないことはその場でめいっぱい質問するのが無難です。
ちなみに、東京のイタリア文化会館の大学出願担当は、この時期、死ぬほど忙しいそうで、電話はほぼつながりません。メールでの問い合わせには、別の日本人スタッフが比較的早く返答してくれるので、メールで問い合わせしましょう!

6~7月 出願書類の準備

外務省のアポスティーユ公証役場など、出願書類を準備する過程で、日本でふつうに生活していると縁がないような場所や単語にとまどうことになるかもしれませんが、日本の公的サービスは、必要な書類、時間、費用、締切などがきっちりと決まっているので、たんたんと作業をこなすのみです。イレギュラーなケースに泣くこともおろおろすることはありません!大丈夫!

6~7月 イタリア文化会館でイタリア語試験

イタリアの大学なので、授業はイタリア語。最低限のイタリア語が理解できないようでは、大学の授業についていけるわけがない、というもっともな理由で、イタリア文化会館でおこなわれるイタリア語の試験にパスしないと出願をうけつけてくれません。ちなみに、2014年度のイタリア語の試験は、文法の問題はごくカンタンなのものでした。イタリア語会話、簡単な文章の読解といったような実用的な内容が多く、イタリアに1年でも住んでいれば通るレベルのもので、私は90%の正解率でした。多少の語彙力が必要なので、日本で文法書を読みながらの独学の場合は、読解などがむずかしく感じるかもしれません。

7月 イタリア文化会館で書類提出

個別面談の予約をとって、東京のイタリア文化会館へ出向く必要があります。遠方の方は事前にFAXなどで不備がないかチェックしてもらうと安心。書類がすべてそろっていれば出願準備完了です。

8月 イタリア大使館、または、イタリア領事館にて大学の就学ビザを申請

私立の学校に通うための就学ビザの申請は、大阪のイタリア領事館の場合はオンラインで予約する必要があり、時期によってはそれが1か月、2カ月先までぎっしり予約で埋まっていることがあるのですが、大学の就学ビザに関しては、オンライン予約は必要なく、別枠で予約をとってくれるので安心して♪
ちなみに、大阪の領事館については、その予約をとるために電話をかける必要があるのですが、電話は全然つながりません。気を長くもって、何度もかけ続けましょう。いつかつながります(笑)

9月 イタリアの大学にて入学試験、入学手続き

VISAがとれて、イタリアにやってきたら、さっそく書類をすべてもって大学の出願窓口へ。そして、入試の日を教えてもらいましょう。外国人の場合は学部の入試とは別にイタリア語の試験があります。これは、学部の授業についていけるようにC2レベルの文法問題がぎっしり、読解もけっこうレベルが高いと思います。ジェノバ大学の場合、イタリア語の試験にパスしなかった場合は、40時間、80時間、120時間いずれかのイタリア語の補習授業への出席が必須、かつ、1年以内にイタリア語の試験にパスしないと入学が取消になるというスリリングな状況に。
自信マンマンだった私はぎりぎりアウトで40時間の補習コース。大学の授業にプラスして、毎週2回2時間のイタリア語コースに通い、2月になんとか試験をパスしました。
イタリア語ができないと学部の授業についていけないだけじゃなく、いろいろタイヘンです。

9月 イタリアにて滞在許可証の申請

VISA(査証)は「イタリアに入国する」ために必要なもの、滞在許可証は「イタリアに滞在する」ために必要なもの。ということで、イタリアに住むには、警察署へ滞在許可証を申請する必要があります。申請方法については、大学で外国人向けの説明会があるはず。初回の申請では許可される滞在期間は5カ月程度、次回は1年、翌年からは毎年最低2つの試験を通ることで1年の滞在許可証を更新できます。

さて、これではれて、イタリアにてじっくり勉強ができる環境になりました♪

イタリア生活の予行練習とおもえば耐えられる!

イタリア大使館、イタリア領事館、イタリア文化会館は「イタリア」なので、日本の公的サービスのような丁寧さ、親切さは期待できません。サービスにムラがあるので、電話でつめたくされたり、メールに返事をしてくれなかったり、前にすすまないことに不安を感じることもあると思いますが、そこでいちいち悲しくなっていては、イタリアで生活はできません!

心をつよくもって、何度でも電話したり、しつこくメールを送ったりしながら、自分に必要な情報をゲットしてください♪

イタリア文化会館
http://www.iictokyo.com/

【東京】イタリア大使館(Ambasciata d’Italia)
TEL代表:03-3453-5291
受付時間:月~金 9:30~11:30
visa.tokyo@esteri.it

【大阪】イタリア総領事館(Consolato Generale d’Italia)
VISA課直通:06-4706-5841
受付時間:月~金 14:30~16:30

海外送金
イタリアに口座を開いてから使っているのはTransferwise。為替手数料がゼロなので、郵便局、銀行よりも安いのと、日本からの手続きに海外の銀行の情報やIBANと言われるなが〜い口座番号が必要ないので、アルファベットに慣れない親にも頼みやすくて便利。

ABOUTこの記事をかいた人

イタリア在住バイヤー&ブロガーです。リグーリアの希少なワインやオリーブオイル、ジェノバっ子だけが知ってる穴場スポットなどを紹介します♪ちなみにイタリア語のブログのフォロワー5000人、ジェノバではCocoJapanとして結構有名人です!